パインズ

パインズは福岡を拠点とするタレントプロダクション&制作会社です。

パインズ

インタビュー&レポ

(2008/10/15更新)

映画「容疑者Xの献身」福山雅治・堤真一・西谷弘監督 合同記者会見

↓クリックすると画像が大きく表示されます



映画「容疑者Xの献身」合同記者会見
2008年10月9日(木)17:00〜 グランドハイアット福岡2F サボイにて
(写真左より堤真一、福山雅治、西谷弘監督)




西谷監督:すごく自信を持ってお届けできる作品ができたと思っています。よろしくお願いします。

福山雅治:本日は九州全土からお越しいただいていると伺っています。
遠い所からありがとうございます。今日はよろしくお願いします。

堤真一:公開後にこういう会見という形でお邪魔することはあまりないので、どういうふうに言えばいいかわからないんですが…。
この作品は、本当に自信持ってみんなで作りあげた作品なので、ぜひぜひもっと多くのお客さんに見てもらいたいと思っています。ご協力よろしくお願いします。







—福岡での舞台挨拶(4ヵ所)を終えての感想は?


福山:10月1日に長崎で9スクリーンでのマラソン舞台挨拶があって、公開初日の10月4日が東京で、それから札幌に行って、今日この福岡に来たわけなんですけど、今日の福岡のお客さんが一番熱かったですね。
僕自身は福岡を地続きの故郷だと思っているので、きっとみなさんもそんな気持ちで迎え入れてくれたのかな、そうだったらうれしいな…と思います。

堤:あの福山さんに対する「キャーッ!」っていう声は、僕、ちょっと勘違いしてしまいそうなんですよね(笑)。

福山:僕だけじゃないですよ、堤さんもどえらい歓声でしたよ。

堤:もし今度別の映画で来た時にシーンとしてたらすごいショックだな〜って思うんですけど(笑)。
でも、見ていただいた後のお客さんの反応はすごくうれしかったですね。いいものができたんだなぁ…と実感しました。

西谷:今、堤さんがおっしゃったように舞台挨拶は上映前と上映後っていう2つのタイプがあったんですよね。
上映前に舞台挨拶をすると、当然のことですがどうしてもお客さんは堤さん、福山さん目当てで来られているわけですから、「あんた、誰?」って感じで見られてたんですけど(笑)。
上映後の舞台挨拶では、今日ここには来ていませんが、柴咲さんや北村さんや松雪さんを含め、本当に映画そのものを見てくれた感じが伝わってきて…。それがすごくあたたかくて、うれしかったですね。






—この「容疑者Xの献身」は、原作を忠実に再現された映画だと思うのですが、映画化するにあたって、
さらにそれにどんなスパイスを加えられたのですか?



西谷:いろんな見どころがあると思うんですけど…。
舞台挨拶でも一度話したんですが、原作にはない雪山のシーンもそうですけど、台詞やト書きにはない、湯川・石神という二人の空間や時間を一番大切にしました。
それは具体的に言うと、湯川と石神の“出会い”と“別れ”というところですね。“出会い”は17年ぶりの再会のところで、そこでは「湯川」「石神」という言葉があったんですが、クライマックスの取調室で2人が対峙する“別れ”のシーンでは、そういう言葉は外して、僕の方からは台詞を言い出す前の“間”を作ってくださいとだけ指示をしたんですね。あそこは、2人だけの“空間”で出来上がったシーンです。

福山:監督の作るワンシーン、ワンカットにはものすごい情報量と奥行きが込められているんですよね。だから、映画を見られた方が、そのシーンの中に監督が込めた思いや、状況設定、時間軸…そのさまざまな情報全てを把握するのはなかなか難しいだろうな、とは思うんです。それぐらい細部にまでこだわりを持っていらして。
確かに、いろんなことにこだわる監督はたくさんいらっしゃると思うんですけど、西谷さんがこだわり、そして追及する奥深さは、映像的な三次元の深さっていうのもありますけど、時間軸的にも非常に深いものがありますし、またそれよりも気持ちの部分の深さがあると言いますか…。
たとえば、そこに石神と湯川がいれば、通常ややどっちかよりの表現になりがちで、「このシーンは石神の感じで描こうかな」とか「ここは湯川の側面で描こうかな」とかってことになるかと思うんですけど、ここに両方の表裏一体の要素を入れてくるという。石神の表裏一体の精神、湯川の表裏一体の精神。さらにその表と裏の間にあるグラデーションの精神論といいますか、そういったものまでも求められている…そんなふうに理解しているんですが、そんな情報量の込め方をされていると僕は思っています。
だから、一見淡々と進んでいるように見えるカットバックの中に込められた時間や気持ちは、実はすごく濃密なものになっていて、そのワンシーン、ワンシーンの積み重ねがこの作品の濃度をさらに深めているんだと思います。なので、確かに雪山に行ったシーンはシチュエーションとして画変わりしていて見どころのあるシーンだと思うんですけれども、それよりもむしろ本来の見どころは、一見見落としがちな淡々としたカットバックのシーンだったり、台詞がないシーンだったりとか、そういうところに隠されているんじゃないか、と僕は思います。

堤:そうですね…僕はなるだけ原作を読まないようにして映画やドラマに取り組むほうなんですけど、これはもう先に読んじゃっていたので、なんで俺にオファーが来たのかな?でもOKしてしまった!あららららら…という状態だったんですけど(笑)。
原作は草薙を含めた3人の男同士っていう側面があったんですけど、映画は柴咲コウちゃんの存在っていうのが大きくて、コウちゃんがいたおかげでさらにシンプルに、かつ奥深くいけたんじゃないかな、と思います。やっぱりあれは原作にはない役だし、小説ともまた違う印象になって「監督、さすがだな」っていうふうに感じることができたんで。
たぶん(柴崎コウが演じた)内海がいなければ、「石神はやっぱり塚地じゃねえか」とか「塚地を使った方がよかったよ!」って言われるような作品になったかもしれないんですけど(笑)、そういう意味で非常にバランスが取れてやりやすかったというか、役者同士もすごく信用できる人たちばかりだったし、僕も変なプレッシャーを感じずに「やっちゃえ!」っていう感じになれました。
僕は、ある意味原作を超えることができたんじゃないかなって思っています。原作ファンの方にとってはもしかしたら違うかもしれないですけど、僕はそう思っています。



—撮影現場での印象深いエピソードは?


福山:撮影中と言うより後になって実感したんですけど、9月26日に東京国際フォーラムで行われた完成披露試写会で舞台挨拶を行なったんですね。その日は北村さんはいなかったんですけど、堤さん、柴咲コウさん、松雪泰子さん…それぞれ看板を背負って立ってる俳優陣が横並びになった時に「これは実は大変な現場で芝居をしていたんだな…」と、ハッと我に返ったような気分になりまして。
僕は映画というものに自覚を持って出演させていただくのは今回が初めてと言っていいと思うんですけど、当然僕以外の方は各々出演経験も豊富で、もちろん主演も当然多数やられていますし、そんな大変な現場の中で芝居をやっていたんだ…と思って、その時初めてびびったといいますか、なんだかそんな気分でしたね。
撮影中はそれくらい集中してたってこともありますけど、優れたパフォーマーの方々と仕事できてたんだなぁって、後になってびびりながらも実感しましたね。

堤:エピソードというか…特別何かやらかしたってことはなかったんですけど、とにかく楽しい現場でしたね。それぞれ精神的にはきつい現場もあったんですけど、待ち時間は楽しく過ごし、撮影に入ったら集中するっていう感じだったんで…。
そうですね…僕個人に関しては、髪の毛をちょっと抜いたりすいたりしたものですから、それを現場でですね、もちろん共演者の方には「これは嘘だよ、髪の毛が少なく見えるようにしたんだよ」って説明ができるわけじゃないですか。ところがロケでエキストラさんをいっぱい使う時に、その人たちがみんな「あ、堤って実は薄いんだ…」って言う顔をするんですよね。でも、その人たち一人一人に説明するわけにいかないし、言う義務もないし、どうしようかな〜って。きっとこの人たちは家に帰ったら「実はアイツ、普段は(ヅラを)被ってるぜ」って言うんだろうけど、しょうがないんでね。たくさんの方がいらしたんで、言うことはできなかったんですけど、そういうの、ちょっと書いといてもらえれば(笑)。エキストラの方たちも納得していただけるのではないかと思います(笑)。



—この映画を通じて、理系の人間に対するイメージは変わりましたか?


福山:ちょうど4人の日本人がノーベル賞を取ったというニュースも入ってきて、その一人一人の方のコメントが大変興味深かったですよね。「ノーベル賞を受賞したことよりも自分の理論が正しかったことを認められたことがうれしい」という。
まぁどっちもうれしいじゃん!っていう話なんですけど(笑)、敢えてそういうことを言ってしまうところに、ああ理系っていうのはそういうこだわりというのがあるんだな、と思って、本当に湯川っぽいなとか、石神っぽいなとか、この役を演じたからこそ感じることができましたね。





堤:そうですね、数学とか物理とかって僕は普段まったく接することのない世界なんで、とてつもなく頭がいいんだな、という感じなんですけど…。宇宙のことにしてもそうなんですけど、実際観測しているわけでもないのに、数字で計算することによってブラックホールが見つかるとか、そんなことをよく考えるな〜という。もともと素晴らしいとは思っていたんですけど、まさかそれを自分がやるとは思わなかったので。ましてや「四色問題って何?」っていう世界ですから(笑)。
最初にちょっと思ったんですけど、頭のいい人って声が高かったりしますよね?(甲高い声で)「ボクハデスネー」みたいな人が結構多いと思うんですけど(笑)、そのキャラでは石神はヤバイなぁて思って、脳みその方は一人で回転してて、性格は非常にこう、内に構えてる人というふうにしてたんで、もしかしたら見え方としては数学者には見えなかったかもしれないんですけど。
(理系の人間を)演じてみてイメージが変わったというよりも、たぶん今後もきっと僕は数学者や物理学者の方と直接お知り合いになることはないし、お友達にもなれないと思うんですけど、数学者の人たちがこれを見て喜んでくれたらいいな…って思います。



—福山さんが1年間“湯川学”というキャラクターを演じてきた感想は?


福山:楽しかった点は本当にたくさんありまして…。
湯川学というキャラクターは、いそうでいない、いなさそうでどこかにいるんじゃないかな…っていうところがあって、キャラクターが非常に立っていて、テレビシリーズは特にそうだと思うんですけど、ともするとちょっとマンガっぽいところもありますし、そういう役をやったことが今までなかったので、非常に楽しかったですね。多分、男の子が小さい頃に戦隊ヒーローものに憧れていたような、そういうある種憧れで湯川学というヒーロー像を演じられたのではないかと思っています。
でも、映画の湯川はそのヒーロー像とはやや違っていて。もともとテレビシリーズで当たってなかった“人間・湯川”としての部分に光を当てるという作業だったんですが、それももともとの土台があったからこそ出来たことだと思いますし、楽しめたことだと思います。
映画をやることによって、テレビシリーズではほとんど表に出ていなかった湯川の精神面みたいな部分に光を当てることが出来たという、その二段構えの役作りとキャラクター作りをできたことによって、湯川という人間をより奥行きのある形で作りあげることができたことは、自分にとっても楽しかったし、大きな財産になりました。









—お二人は、お互いのことをどう思われましたか?


福山:僕はすでにドラマで役作りとしての土台ができていたので、その土台を持って映画の現場に入っていったんですけど、堤さんはどういう形で入ってくるのかな…って思った時に、最初から“堤真一”としてではなく“石神”として現れてくださったことが、大変僕にとってはうれしく、興奮できた瞬間でした。
テレビシリーズからの映画化なので、ともすればもともと料理が出来上がったお皿の上に違う素材が入ってくるようなことにもなりかねないんですが、一番最初のシーンでお会いした時…あれは、石神のアパートの所で久しぶりに再会するシーンでしたよね?だいたい15mか20mくらい離れていて、実際に表情は分からないんですけれど、全体のフォルムだったり所作だったりで“石神がいる”ということをリアルに感じさせていただいたので、うれしかったです、とっても。なんかニヤッとしちゃうみたいな。そういう感じが、結果としてそのフィルムにも映っているんじゃないかなと思いますし、大変素晴らしい経験をさせていただいたな、と思います。
…堤さん、次は僕をほめてください(笑)。





堤:これは舞台挨拶でも言ったんですけど…。
僕は運転している時は必ずFMを聴くようにしていて、福山くんのラジオ番組もよく聴いていたので、個人的な印象として福山くんをずっと楽しい人だなぁって思っていたんですよ。
一番最初にお会いしたのは福山くんがドラマの「ガリレオ」を撮っている時で、僕はその時隣のスタジオで「SP」というドラマを撮っていたんですけど、そのロビーで会った時に、僕はいきなりそういうイメージでまるで友達のように接してしまいましてですね、失礼なことをしたな、と(笑)。でもそれをちゃんと普通に、構えることなく受け入れてくれて。それは福山くんもそうだし、コウちゃんもそうだし、北村くんもそうだったんですけど、印象としてはあったかい人たちだな、という感じでした。
芝居のことに関して言うと…僕自身が一番心配していたのは、湯川が訪ねてきて、家で二人で酒を酌み交わすシーンだったんですけど、あそこは僕の中で一番難しいシーンだと思っていて。本当にお互いを認め合った者同士が17年ぶりに会って、しかも「俺たち親友だよね」みたいな言葉を交わすでもなく、でも意識は学生時代にフッと戻って…みたいな感覚を作るのって実は本当に難しいんですけど、福山くんがニコッと笑っただけで、こっちもいつの間にかニコッと笑っているっていう、そういう感じで。
最初は、自分自身「この芝居、どうしよう?どうなるかな?」って思ったけど、福山くんに乗っかっていったら自然とできたんですよね。やっぱり、そういうところでも2人の根っこがつながっているって意識が、すごく嬉しかったですね。そういう人いるんだ…って思いました。芝居だけをやっている役者さんでも、そういうものを持っていない人もいる…って、あ、そんなこと言っちゃいけないですね(笑)。やっぱりどうしても独りよがりになる人たちが多いんですけど、そういう人はなかなか少ないので、それをお互いにできたのが嬉しかったですね、本当に。
もっとほめとくと…これ、コウちゃんが言ってたんですけど、福山くんはどういう人に対しても同じなんです、態度が。ちょっとイラッとしたりっていうのが態度に出たり、そんな空気を出してしまったりって…ありますよね?でも、福山くんはそういうのが全くないんです。
まぁ結果分析したところ、常に人に対しては“上から目線”だから(笑)。「下々の者!」みたいな…。

福山:それ、全然ほめてないじゃないですか(笑)!

堤:うそうそ、それくらい人に対して全然変わらない態度で接してくれる人なんで…って、これだけほめりゃあいいだろう、と(笑)。

福山:十分でございます、ありがとうございます(笑)。



—では、最後に監督からお二人のことをほめてください(笑)。


西谷:福山さんとは4、5年前(2003年フジテレビ系ドラマ「美女か野獣」)からご一緒させていただいていて、ミュージシャン以外に表現者、クリエイターとしても尊敬してましたし、今までの福山さんを知ってる限りでは、割と等身大というかとても日常的なキャラクターが多かったので、この“天才で変人”という、割と特化したキャラクターの役作りには時間が掛かるかな…と思ったんですけど、これがもう意外に早くスタイルが出来上がって。
やってるうちにわかったんですけど、福山さんと湯川って、すごく共通点があるんですよね。論理的思考だったりとか、ストイックに物事を追求する姿だとか、ちょっと変人なところだとか(笑)。
むしろ、今までやっていた役よりも、湯川学の方が福山さんにとってはそれこそ等身大のキャラだったんじゃないかなって思いました。その上で、今回映画でさらに湯川の新たな一面を描いていくということが…それがとても楽しかったですね。



そして、堤さんは当然存じ上げてはいたんですが、お仕事をするのは今回が初めてで。
僕はいつも、シーン1の最初のカットからラストのカットまで、全部自分の頭の中で構築しちゃうんですよね。カット割も全部自分の頭の中で全部出来ていて、あまりそこからブレることってないんですよ。それがいいとか悪いとかではなく、いつもそういう作り方をしているんですが、今回堤さんのお芝居を編集の時にもう一回改めて客観的に見て、結果編集を変えたんですね。これは、自分の中では今までなかったことで。
もう公開されているから話してもいいと思うんですけど…花岡親子が富樫という男を殺した後、石神が「隣の石神です」って訪ねて来て、中に入って「じゃあアリバイを作りましょう」っていう行為まで、最初はつなげて見せてたんです。そうすると、ある程度石神の行為っていうのは見えてくるんですけど、入っていったところでシーンを飛ばして、「アリバイを作りましょう」っていうシーンを一番ラストに持って行ったんですよね。それで、石神は本当にストーカーなのか?とか、いや、ストーカーのふりをしているんだろうとか、それとも最初からおかしかったのか?とか、いろいろ推理欲をかき立てられるというか、それでミステリーとしての質も高められたなぁという。
そういう意味で、堤さんは、そのお芝居によって「もっとこうしたらもっとおもしろい」と思わせてくれた俳優さんでした。

福山:十分ほめていただけましたね(笑)。









× × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ×




「容疑者Xの献身」
出演:福山雅治 柴咲コウ 北村一輝・松雪泰子/堤真一
ダンカン 長塚圭史 金澤美穂 渡辺いっけい 品川祐 真矢みき 
原作:東野圭吾(文藝春秋刊) 主題歌:「最愛」KOH+(ユニバーサルミュージック)
製作:亀山千広 企画:大多亮 脚本:福田靖 音楽:福山雅治 菅野祐悟 
監督:西谷弘

http://yougisha-x.com/



↑TOPへ